大垣教区大泉寺のブログ

真宗大谷派のお寺

墓地、北東部の補修工事

当院墓地の北東部の一部が、

水路側(北側)に傾いて崩れかけていました。

 

墓石業者に依頼をしてお墓を一時的に移動し、

土建業者に新しいコンクリート壁をつけてもらう工事をおこなったことで

傾いていた部分も頑丈で平らになりました。

 

お墓や土の中の御遺骨を元に戻す作業の方も、

近日中に完了します。

宗教法人の非課税対象について

今年の漢字に「税」の字が選ばれました。

恒例となっている清水寺での揮毫による発表に際し、

「宗教法人は非課税なのに」という意見をSNSでいくつも見かけました。

 

このことでまず申したいのは

「宗教法人は非課税ではない」です

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/r04_shukyo.pdf

 

上記のリンクは国税庁の「宗教法人の税務」のページです。

宗教法人でも収益事業による収入(月極駐車場の経営、建物の有料での貸出など)が

あれば納税の申告が必要です。

宗教法人から住職への給料も世間と同様に所得税が発生します。

県民税や市民税も世間と同様です。

車に関しても、名義が宗教法人であっても自動車税は世間と同様です。

 

宗教法人では非課税となっているのは。

本堂や境内などへの固定資産税、

門徒さん方からの法要礼や寄付金への課税などです。

不動産の取得に際しての税金や印紙税なども非課税となっています。

 

これらに「納得がいかない」、「優遇されている」という声も見受けられますが、

本堂は礼拝や布教・伝道活動のためのものであり、

収益を目的として建てられたものではありません。

(収益に用いてもよいが税務は発生する)

境内もそれ自体は収益目的の土地とはなりません。

 

もしも本堂や境内に固定資産税を一律にかけるとなれば、

地域の方だけで維持をはかっているような寺や神社にも

税務がのしかかってしまいます。

 

そもそも、本堂や境内などの宗教法人の資産は

「お金に困ったから売ってしまおう」、

「持っててもしょうがないからお金に替えよう」

とはいきません。

住職のサインひとつで売ってよいものでもありません。

固定資産税が発生する建物や土地とは

事情が根っこから異なるのです。

非課税となっているのには理由があるのです。

 

「非課税となっているのには理由がある」、

これは単に宗教法人の関係者側の屁理屈ではありません。

そうした理由がある(国税庁からそう判断されている)からには、

住職や僧侶には

「宗教法人としての役割や機能をまっとうさせる」

という責任があります。

 

「非課税なのはおかしい」という声には

上記のように答えたくなります。

「理由があって非課税となっているのに、

宗教法人の役割や機能が果たされていない。

門徒のための寺になっていない」

という声には、真摯に向き合う必要はあります。

 

 

門徒さん方からの法要礼や寄付金への非課税についてですが、

これら法要礼や寄付金は

「お寺の活動のお金や、維持のための蓄えにあててもらえたら」

という思いで用意されたものです。

「フィクションによく出てくる悪徳僧侶のイメージ」は

忘れてもらうとして、これが法要礼や寄付金の本来の位置付けです。

国税庁が「課税対象とするのはなじまない」と

判断しているのも、このためです。

 

「寺への金なんて収益事業と同様だ」と言われたら

「それはあなたの感想ですね」と言いたくもなりますが、

「目的があって用意されたお金なのだから宗教法人の側は

門徒や信徒が納得できる管理や使い方、蓄え方をすべき」

との声には、真摯に向き合う必要はあります。

御香典の習慣に関して

もうずっと前から、景気がよかった頃のような

「葬儀費用をかけたお葬式」

は望まれていません。

そうした望みに沿ったお葬式が2010年頃から

選べる、行えるようになり、

今では「新築の葬儀ホール=小さい家族葬用の建物」となりました。

 

ときどき

「御香典を受け取らなくなったからお葬式の費用面が大変になった」

という意見を聞くことがありますが、

受け取った御香典には「香典返し」が必要になり、

後々には相手のお葬式でこちらが同額の香典を出すことになります。

(※中には香典返しの習慣がない地域もありますが)

「御香典の習慣があることでトータルの費用が増える」

と言えます。

 

その香典返しも、

「贈答品やカタログギフトが喜ばれない時代」

になったことで意義も薄らいでいるのが実情です。