大垣教区大泉寺のブログ

真宗大谷派のお寺

伝統作法の存在

【法事の代行のご依頼】

先月のある週末に、愛知県のお寺さんから法事の代行のご依頼がありました。お坊さんは週末の法要予定が多いため、急な法事の代行は見つかりにくいものです。

今回はたまたま私の予定の空きと法事の日時が合ったことで、「私でよろしければ」とお引き受けの運びとなりました。

 

 

【スムーズに進んだ法要面の打ち合わせ】

愛知県のお寺さんとの事前の打ち合わせでは、門徒さんの住所やお名前の他に法要面の確認のお話もありました。

地域による習慣の違い※ も少しありましたが、地域を超えて宗派として定められた伝統作法のおかげでスムーズに打ち合わせが進みました。

 

※ 習慣の違い

一例として、西濃地域の大谷派の法事では音木(おんぎ)という道具を打ちながらの読経が多いが、

尾張地方の法事に音木は使われない。

 

 

【伝統作法の大事さ】

私も僧侶の端くれなりに「伝統作法は大事」と考えています。しかし「なぜ伝統作法が大事なのか」を実感する機会はありそうでありませんでした。今回の法事の代行は、伝統作法の大事さを知る機会となりました。

初めて向かう法事の場は緊張もありましたが、大垣の門徒さん方と変わらない仏間のお内仏(お仏壇)を見て「ここは大泉寺と同じ大谷派のご門徒。ここでお勤めする法要もまた同じ」と気付いたことで自然と緊張も消えていきました。

法事にお参りされた方々も「代行の坊さんでも法事の中身や意義は変わらない」と感じておられたでしょう。

僧侶にとっても門徒さんにとっても、伝統作法は法要の意義を保つ点で大事なことなのです。

 

「信は荘厳(しょうごん)から」という言葉があります。荘厳は本堂や仏間の仏具のお飾りのことです。それぞれの仏具には正しい位置や置き方(どこが正面か)が定まっています。

仏具を正しく飾ることには「仏法を敬う心を行いで示す」、「行いによって仏法を敬う心を確かめ、深めてゆく」との意味があります。